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職場のメンタルヘルス対策

1.メンタルヘルスとは

メンタルヘルスとは心の健康のことです。最近、職場において、複雑な人間関係や長時間労働などのストレスなどを原因として心の健康に不調をきたし(メンタル不全)、長期間の欠勤を余儀なくされたり、自殺する労働者が年々増えています。
仕事によるストレスなどによる心の病気は、従業員のだれにでも起こりうるものです。メンタルヘルスの不調は、本人の仕事や家族の生活に支障を来たすだけでなく、企業や社会にとっても大きな損失となります。また、企業は職場において、従業員の健康を確保し、労働災害から従業員守り安全を配慮すべき法的な義務を負っています。万一、過重労働による過労死などを原因として、従業員の遺族から民事訴訟が起された場合には、企業が多額の損害賠償責任を負うこともあります。
このため、企業は従業員の仕事や職業生活に関する不安、悩み、ストレス等による心の病気を未然に防ぐため、その予防対策をとることが重要となります。ぜひ、企業全体で従業員のメンタルヘルス対策について真剣に考えていきましょう。

2.心の病気の種類と症状

職場において従業員が受けるストレスはますます増加、多様化し、よって心の病も同時に多様化しています。心の病気にはさまざまな種類がありますが、一般的なものは下記のとおりです。
うつ病(単極性気分障害)
  気分が極度に落ち込んで何に対しても意欲や興味がなくなる病気です。主な症状としては、憂鬱、億劫、不安、いらいら、悲観的な考え、自責感などの精神的な症状と睡眠障害、食欲低下、頭痛、めまい、吐き気、動悸、冷汗、便通異常などの身体的な症状があります。様々な医療機関にて診察を受けても「特に悪いところは見当たりません」と告げられるケースが多く、実は体の症状を中心とするうつ病であったということもあるのです。実に日本人の10人に1人は生涯に一度はうつ病にかかるといわれています。統計的には女性に多く、また自殺との関連も深い病気です。
躁うつ病(双極性気分障害)
  落ち込みや憂うつといったうつ状態と、気分がハイになる操状態とが交互に現れます。
統合失調症
  幻覚、妄想、行動の異常などが現れ、自分が病気だという認識はない病気です。
パニック障害
  突然頭が真っ白になり、動悸、心拍数増加、震え、息苦しさ、腹部不快感、吐き気、めまい、ふらつき、現実感の消失、恐怖感などに襲われます。
摂食障害(拒食症・過食症)
  心理的な原因で食べることをコントロールできなくなった病気の総称です。症状としては、物を全くといっていいほど食べられなくなってしまう拒食症、食べることを止められなくなってしまう過食症があります。
心的外傷後ストレス障害 (PTSD)
  災害、暴行、戦争体験など、通常の生活をはるかに越える激しい体験において、極度のストレスを受けることで発症し、めまい、頭痛などの自律神経症状を伴う不安、うつ状態、心に外傷を受けた体験の記憶のフラッシュバック、その場所や関係している事からの逃避などがあります。
神経症
  ストレスなどに対する心理的反応が病的な不安を発生させ、心身にさまざまな症状を引き起こす病気で、不安感、恐怖感、強迫体験、憂鬱、現実感の喪失、いらいら、無気力、自律神経の失調などがあります。
対人恐怖(高所恐怖・不潔恐怖)
  人前で極度に緊張し、赤面、手が震える、どもる、多量の発汗などが起こります。
強迫性障害
  頭の中では無意味、不合理だとわかっているのに、あることが気にかかり、同じ行為をくり返します。
心身症
  ストレスがかかることにより 身体のさまざまな部分に障害が現れる病気です。例えば「ストレスで胃潰瘍になった」などがその例です。
その他
  心気症、アルコール症、離人症、解離性障害・ヒステリー、全般性不安障害、燃え尽き症候群などがあります。

3.職場におけるメンタルヘルスケア

1. 心の病気のサイン
仕事上のストレスなどによる心の病気は、従業員のだれにでも起こりうるものですが、メンタルヘルスの不調は発症の前に必ず何か心や身体、行動に変化が現れるものです。このような変化が現れた場合には注意が必要ということになりますので、その変化によって発するシグナルを見逃さないことが重要です。
精神面の変化 身体面の変化
・情緒が不安定になった。
・イライラして不機嫌になった。
・覇気が無いように感じる。
・元気がなく、気分が暗く落ち込んだりする。
・物忘れが増え、ボーっとする。
・気力や集中力も低下し、仕事の能率が低下する
・強い不安感に襲われ、いてもたってもいられないような気分になる。
・妄想や幻覚などが表れる。
・体がだるく、疲れやすい。
・動作がゆっくり見える。
・顔色が悪い。めまいがする。
・頭痛、動悸、胸の痛み、呼吸困難、肩こりなどが起こった。
・食欲不振、胸焼け、吐き気、便秘、下痢などの胃腸症状が起こる。
・食行動や飲酒行動が普通でない。
・急に痩せた(逆に急に太った)
・欠勤・遅刻・早退などが多い。
・「辞めたい」「もうだめだ」などと言う
2. メンタルヘルスケアの進め方
メンタルヘルスケアを行うには、まずストレスを減らし、ストレスに強くなるための予防策を考えることから始めます。心の健康づくりとは4つのケアからなります。
1 セルフケア <労働者のストレスへの気づき、ストレスへの対処、自発的な相談>
うつ病についての正しい知識や予兆があったらすぐ相談するようにするなどの指導をチラシやビデオで行います。うつ病についての偏見をなくし、発症してもかくさず速やかに治療にはいることができるようにしておく必要があります。年齢ごとのライフデザインについて話合う機会を設け、仕事における不安を払拭するようにします。
2 ラインによるケア <管理監督者による職場環境の改善、個別の相談対応>
部下の様子がおかしいと感じたらすぐに事業内産業保健スタッフ等へ報告、相談を行います。決して1人で抱えこまないようにします。1人で抱え込んでしまうと兆候・発症管理に遅れが出て、状態は深刻な悪化へと導いてしまう恐れがあるからです。
3 事業内産業保健スタッフ等によるケア <心の健康づくり対策の提言及び推進、ラインによるケアへの支援>
産業医、衛生管理者、(安全)衛生推進者、保健師、産業カウンセラー、臨床心理士、精神科医等が、専門的な立場から、心の健康づくり対策の実施状況の把握、セルフケア及びラインによるケアヘの支援、教育研修の企画・実施等全般の助言指導を行います。
4 事業場外資源によるケア <事業場外の機関、専門家によるサービス活動、支援>
専門的知識が必要な場合は、事業場外資源から情報提供、助言を受けます。また、必要なときに労働者を速やかに事業場外の医療機関・地域保健機関に紹介するためのネットワークを形成しておきます。小規模事業場では、必要に応じ、地域産業保健センター等の事業場外資源を活用するよう努めます。
3. 予防策と対応策
職場のメンタルヘルスケアについては、下記の項目につき注意が必要となります。
労働時間の管理を徹底し、安易に時間外労働等をさせない。
本人の職務内容・権限責任を明確にし、能力以上の責任を負わせない。
本人の適性や希望を考慮した職場配置
メンタル不全者との個別面談
心理カウンセラー等専門家の有効活用
職場におけるコミュニケーションの改善
コミュニケーション等に関する講演会の開催
休職規程や復職規程等の整備・改善
メンタルヘルスに関する管理者教育の強化  など

4.メンタルヘルスと就業規則

従業員が心の病気により欠勤するような場合には、休職あるいは復職を伴う場合が多いので、「休職」「復職」の判断やタイミングが重要となります。この判断を誤ると、思わぬトラブルに発展する可能性があります。無用のトラブルを防止し、従業員に休職や復職制度をスムーズに適用させるためには、社内規程(就業規則)の見直しが欠かせないものとなります。
従業員の心の病気により社内規程に関しては、下記の項目に留意することが必要となります。
1 休職を必要とする社員の適用範囲
2 休職に至るまでの欠勤期間
3 休職の要否判断
4 休職期間
5 休職期間中の待遇、報告義務等
6 復職の判定
7 復職時の配置転換等
8 復職時のリハビリ出勤制度
9 類似の疾病による休職回数の制限  など

当事務所では、企業のメンタルヘルスケアについて下記の相談を承っております。どうぞお気軽にご相談下さい。
1 就業規則・諸規程の見直し
2 事業主・人事労務担当者に対するカウンセリング
3 外部機関に関する情報提供
4 法律的側面からのアドバイス など

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