労働基準法第89条によれば、"常時10人以上の労働者を使用する使用者は就業規則を作成して労働基準監督署に届け出なければならない"こととなっています。常時10人以上の労働者を使用するとは、一時的には10人未満になることがあっても、常態として10人以上の労働者を使用しているという場合を言います。
また、労働基準法では[正社員][パートタイマー]等労働者の身分についての区別はしていませんから、さまざまな雇用形態の労働者を併せて常態として10人以上の労働者を使用していれば、当然作成の義務が生ずることになります。
したがって、パートタイマーを多く使用しているような事業場で、労働時間・賃金等の主要労働条件について正社員と異なった取り扱いをしている企業においては、正社員の就業規則とは別にパートタイマーの就業規則を作成して届け出なければなりません。
さらに、育児・介護休業法の制定により育児・介護休業に関する規則も作成しなければなりません。
このように、労働基準法は常時10人以上の労働者を使用する使用者に対して就業規則の作成を義務づけていますが、就業規則は使用する労働者がたとえ10人未満であっても、労働条件の明確化や職場秩序の維持等のために必要なものであり、また労働基準法第15条においては「使用者は、労働契約の締結に際し、労働者に対して賃金、労働時間その他の労働条件を書面により明示しなければならない。」ことを義務づけており、その明示のためには就業規則の整備が必要不可欠なものであると思われます。
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